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“ちょっと贅沢”なハイブリッドサルーン、トヨタサイ

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小さな高級車の庶民版

トヨタサイ
一連のリコール問題で生産停止にまで追い込まれたサイ(SAI)だが、プリウスよりも”ちょっと贅沢”なハイブリッドサルーンというコンセプトそのものの魅力は未だ色あせていない。


ハイブリッドシステムは、基本的にプリウスと同じ構成だと考えていい。ただし、エンジン排気量を2.4リッターとすることで、余裕の動力性能と室内パッケージを実現。もちろん実用燃費はプリウスに劣っているが、同じ”広さ”の従来型サルーンに比べればかなりの好成績だから、ミドル~アッパークラスからの乗り換え層やプリウスでは物足りないと感じる(そしてもちろんハイブリッドカーが欲しいと思っている)ユーザーにとって、格好の選択肢だといえる。
トヨタサイ
レクサスHS250hとは兄弟車の関係だ。一見ほとんど同じように見えるほどよく似た空力スタイリングだが、細部のラインやデザインが異なっている。もちろん、マスクやリアビューの雰囲気は全く違っていて、サイの方がよりワイドで安定したクルマにみえるから不思議。
トヨタサイ
トヨタサイ
ダッシュボード回りのデザインはHS250hとほとんど同じ(ただし高級感の演出では負けている)と言っていい。センターが前席の間までぐっと伸びてくる独特の形状で、自然と左手がくる位置には、HSと同様にリモートタッチが配されている。これはナビゲーションやオーディオ、エアコンなどの操作を手元で行うもので、SUVなど画面モニターが遠くにあるクルマに有効だ。トヨタ(レクサス)ではRXに初採用している。操作スイッチそのもののデザインはHSと異なっている。メーターはオプティトロンタイプ。見やすい上方の位置にハイブリッドシステムインジケーターが備わる。
トヨタサイ
ひとことでそのインプレッションを言えば”でかいプリウス”だ。決してスポーティではないけれども、低い位置に重量感のある落ち着いた走りをみせ、安心して乗っていられることは確か。レクサスHS250hと比べても、不思議と”柔らかみ”があって乗りやすい。静粛性ではプリウスよりも上だがHSには負ける、といってもかなり静かなレベルだろう。小さな高級車の庶民版、としてHSよりもオススメはできる。
一般的に言って、クルマはこれで十分満足できるのかも知れない。とはいえ、20世紀的なクルマの一体感を重んじる向きには、プリウスと同様に上屋と下屋に分離した、奇妙な乗り味に感じられるし、決して自然な走りを体感させてくれるわけではない。むしろ、モーター一本で走ってくれた方が納得のいく走りだと思う。そこにある種の”複雑性”を感じずにはいられない。
本当に環境のために燃費を考えるのであれば、乗る側も大きさを求めてはいけないとも思うし、ハイブリッドということで、そこそこの金額を余計に求められるという事実にも、スマートな最新のテクノロジー性を感じることができない。
従来のクルマと同じ土俵で評価することも、まだ躊躇われる。そのあたり、ハイブリッドカーの課題とするか、人々の意識の問題とするか、が評価の分かれ目。実用の世界においても、クルマの成り立ちの前提条件がそれぞれ違ってきた以上は、値段と燃費そしてシステムだけで、全てのクルマを分類/評価することが難しくなってきた。
(Car@nifty)

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