CarKingdom.jp(自動車王国)

自動車をメインに、気になる身の回りのネタを編集人独自の視点で斬る自動車王国。

Editor's Voice

俺たちのミッレミリアPART7

投稿日:2007年6月20日 更新日:

建物から最も近かったのは、はたしてハーツだったかエイビスだったか、定かではない。私はこれという理由もなく、さりとて躊躇うこともなく、グリーンの看板、ユーロカーを目指していた。たぶん、以前、イタリアで乗ったことがあるからかも知れない。
20時も回っているというのに、レンタカー会社の受付けには観光客がたくさんいた。カウンターで話し込むデイパックを背負った若者、大きな荷物とともに所在なげに視線を漂わせる女性、すっかり疲れた様子の子供を見守っているすっかりやつれた夫婦。それでも、彼らには希望があるように思えた。
我々を受け付けてくれたのは、確か、ステファニーという女性であった。

目鼻立ちが日本人好みで、不幸な時間の流れの中でたった一筋だけ光が当たった気がして、ほんの少しだが、気が晴れた。
クルマは、小さいので十分だった。荷物があるとはいえ、男二人である。専門的にいえばBセグメントのハッチバックじゃ疲れが心配だが、Cセグメントなら問題ないと思われた。すぐに貸し出せる車両はトヨタカローラかセアトアルテアだという。
私が、これからスペインに行くのだし、乗ったこともないので、アルテアにしようと言うと、Y編集長はちょっと心配そうな顔をして、「カローラの方が安心だと思うけど」と言いつつも、アルテアで了解してくれた。私は、「中身はゴルフですから。ゴルフですよ、ゴルフ、ゴルフ。ワーゲンですよ」と、それが今の我々を襲った非常事態の解決に、いったい何の保証を与えてくれるのかも判らない単語を、ただ繰り返していた。

ちなみにアルテアはこんなクルマ

どこまで行くつもりなの、と聞かれたので、セビーリャだというと、そんなところは知らないわ、と彼女が答える。スペインだよ、と付け加えたら、どこか感心しながら、遠いわよ、とだけ言った。
同じEUとはいえ、国を跨がっての乗り捨てはそれなりに高いということが判った。距離無制限で、サインした契約書には1500ユーロと書かれていた。
問題は、ナビゲーションなど付いていないということだった。地図が欲しいというと、あいにくマルセイユ近辺のものしかないという。そりゃそうだろう、どこのレンタカー屋が、隣国とはいえ別の国の地図まで用意しているというのだ。それも無料のを。
仕方なく、私は、近隣地図をもらいうけ、欄外にいけばバルセロナだという高速道路だけをひとまず確認して、セアトアルテアへと向かったのだった。
蛇足だが、最近、セアトレオンクーポラというクルマが気に入っている。

googleアドセンス

googleアドセンス

-Editor's Voice

執筆者:


comment

関連記事

ときめきの報告

やっと600km。思った以上に気に入っている自分がいて、ちょっとビックリやね。なんだろ、ときめいているんかなあ。 多分に、色が大きいんだと思うよ。かなり目立つから、赤は。食い入るように見つめられるのっ …

イメージ図が現実化することになった、マツダロードスター改

ソーシャルネットワークがある昨今、どんな人でも世界に発信する術を持っています。それが世界を駆け巡るか否か、つまりバズるか否かは別問題ですが。 2020年、カシム・トリベコフ氏なる人物が、マツダ・ロード …

no image

気持ちテコ入れ

E240を5年乗るかどうか、真剣に悩んでます。 引き止める理由もないので、エアロとかホイールとかそういうまったくの無駄遣いなテコ入れをして損得感で強制しようかと考えました。それで今日はいつものFuji …

no image

俺たちのミッレミリアPART15

マドリッドを通過するあたりで、重大な事実でかつ一筋の光明とも言うべき状況を、われわれは悟った。最後に高速道路代を払ったのは随分前で、あれからずっと料金所らしきものがない。それはちょうど、道が悪くなった …

no image

ヤキュー

最近、テレビをよく見るようになった。でもって、チャンネルをよく変える。まあ、ネット感覚。 当然、飯食いながらにしても雑誌読みながらにしても自転車こぎながらにしても、どっかのチャンネルに落ち着いた方がい …

Facebook

アーカイブ

カテゴリー