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Editor's Voice

俺たちのミッレミリアPART1

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順調すぎるときこそ、覚悟を忘れるな、である。
好事魔多し、とよくいうが、べつだん目出たくも良くもないが順調といった流れのときでも、魔はいたるところに潜んでいるものだ。
その日の夕方、ルボランY編集長と私は、アストンマーチンV8ヴァンテージロードスターの試乗(試乗記へ)を終え、もう1泊を南仏ゴートの素敵なホテルで過ごす日本の取材チームから離れて、マルセイユの空港に向かっていた。マドリッドを経由して、ポルトガルの国境にほど近いスペイン第4の都市、セビリャまで飛行機で向かうためだった。

ゴートでの試乗会は、泊まった街やホテル、走ったコースや途中の休憩ポイント、食事全般、そして何よりもクルマそのもの、すべてが気持ち良かった。意外にも、あまりないことである。
セビリャでは、翌日からダッジの国際試乗会が開催されるので、間に合わせようと思うと、何としてもその日中に入らなければならなかった。20時にマルセイユを出てセビリャに真夜中0時半に到着という、ちょっとハードで綱渡りな計画ではあったものの、これがわれわれの仕事。毎度のことである。どころか、グッドタイミングで2つの仕事が繋がったことを、ラッキーだとさえ思っていた。
ゴートからマルセイユまでは、アストンマーチンの計らいで、同じグループだった(もはや過去形)ランドローバーのディスカバリー3が、ショーファー付きで用意されていた。地中海に向かって渋滞がなければ、1時間半ぐらいで着くという。
車中。私は、南仏の、人間はあるがままに生きるが一番と再認識させてくれる田舎景色を半ば惚けて楽しみながら、「このままディスコ3でセビリャまで行った方がラクかもねえ~」などと軽口を叩いたものだった。数時間後、そんな冗談が現実になるとは夢にも思わず・・・。

懸念されたマルセイユ近郊の渋滞に悩まされることもなく、インターネットの路線案内にも負けないぐらい正確に、出発のきっかり2時間前、我々は空港に送り届けられた。手を振り、笑顔で去ってゆくアストンマーチンのスタッフ。
空港の独特な緊張感と匂いに包まれると、夢のようなゴートでのひとときが、急に甘い思い出となって蘇ってくる。なぜだが一瞬、みんながまだ泊まっているホテルに、戻りたくなっていた。

(続く)

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