日本ではさほど騒がれなくなりましたが、VWのディーゼル車における排ガス規制偽装の続報です。昨日ドイツのDer Spiegelが、フェルディナント・ピエヒ元会長(写真右側)がドイツ警察当局に明かした内容の一部を掲載しました。
なんでもピエヒ元会長は2015年2月の段階でアメリカが取り上げるであろう、VW排ガス規制偽装について知らされていた、というのです。ピエヒ元会長は当時のCEO、マルティン・ヴィンターコルン氏(写真左側)に排ガス規制偽装問題を問いただすも疑惑を全否定。さらにピエヒ元会長はVWの監査役4名に同問題を告げていた、というのです。そしてピエヒ元会長がヴィンターコルン氏の追い出しを画策するも、取締役会での同意を得られずピエヒ元会長のほうが2か月後(2015年4月)に電撃辞任しました。
当時は単なる権力闘争、時代の変わり目、なんて捉えられ方でしたけど、やっぱりこんな裏話があったんですねぇ。しかも、ヴィンターコルンCEOが排ガス規制偽装疑惑で引責辞任後、もともとピエヒ元会長がVWの新CEOとして推していたマティアス・ミュラー氏がCEOに就任。やっぱり創業一族であり大株主でもあるピエヒ氏の意向は絶対なんでしょう。この手の話、トヨタ自動車の豊田章男社長に聞いてみたいものです(笑)。
ところで・・・、Der Spiegelが報じた内容でどうしても、どうしても、どうしても引っかかる点があるんです。ピエヒ元会長にもたらされた排ガス規制偽装疑惑の情報源は、EUやドイツで大使を務めたイスラエル人、アヴィル・プリモー氏だというのです。当時はもう外交官ではなく、イスラエル外交問題を取り扱う「Israel Council on Foreign Relations」というシンクタンクの代表を務めていた人物で特にドイツとのつながりが深いことで有名だったそうです。
それにしても、なぜ排ガス規制偽装問題をイスラエル人元外交官から、という疑問を抱かざるを得ません。思い浮かぶのは、モ・・・、サ・・・、ド・・・。しかも2月の段階で排ガス規制偽装問題がアメリカで発覚(同年9月)することがわかっていたなら、株式取引で莫大な利益を上げた人たちがいてもオカシク・・・。
もとい。
巨大ビジネスには国家の思惑もあろうし、諜報部隊もかかわってくるんでしょうかねぇ・・・。