ZF社が面白いモノを発表していました。「ヒーテッド・シートベルト」です。“シートベルトの接地面なんてたかが知れている”と思うかもしれませんが、懐炉の威力を思い浮かべれば、シートヒーターと併せて冬の車内で重宝しそうです。
ヒ―テッド・シートベルトは電気毛布のように、シートベルトに熱線を編み込んでいるそうです。実は、ヒ―テッド・シートベルトの主目的・・・、快適な車内空間の提供ではなく「電気自動車の冬における消費電力削減」です。
一般的に内燃式エンジンを持つ自動車のヒーターは、内燃式エンジンの排熱を利用しています。その点、電気自動車は純粋にバッテリーの電力を消費します。そもそも理想的なバッテリー使用環境は20~40℃なので、冬場はバッテリーを理想温度に保つために電力を消費します。
ZF社のプレスリリースによると、BEVは一般的に冬の航続距離が最大30%減ってしまうそうですが、このヒ―テッド・シートベルトによりヒーター使用が抑えられれば「約15%増える」、と見込んでいるそうです。
ややこしい(笑)。
つまり100%の30%ダウンにプラス15%ですから・・・、冬の航続距離は80.5%になる、というお話です。冬の航続距離減を30%ではなく19.5%にすることができる、と計算しているようです。
「冬場の航続距離減に対してプラス15%」
「冬場の航続距離減をマイナス11.5%に抑えられる」
15%のほうがインパクトがある、という数字のマジックでしょうねぇ。
ヒ―テッド・シートベルト、内燃式エンジン搭載車両でも、寒冷地仕様では人気が出そうなアイテムです。
個人的には、かつてトヨタが放映していたテレビCM「human touch」を思い出しました。シートベルトの温もり、予言されていたのですね(笑)。なお、このテレビCMの撮影模様はこんな感じだったようです。