SFでの話だった「自動運転」がもう目の前にやってきています。“まだまだ完全自動化はムズカシイ”と本音をこぼすエンジニアも居らっしゃるのは事実ですが、現段階でレベル3の自動運転機能を搭載した車両がチラホラ販売されてきています。
完全自動運転が実現した日には、自動車の所有者は自己使用していない間、ライドヘイリングサービス(UberやGrabのような)で副収入が得られるかもしれない、とも言われているので個人的には楽しみにしています。
そして現在、アメリカをはじめ、世界各国で自動運転タクシー、いわゆる“ロボタクシー”の実証実験が行われています。緊急対応用にドライバーが座っている車両だけでなく、一部ではドライバー不在の“本物”のロボタクシーも地域限定でテスト運用されているとか。
そんなロボタクシーで最先端を走っている、Google傘下の「Waymo」の車両で事件が起こりました。
まず7月5日午前3時、アリゾナ州テンペにてロボタクシー運用中だったジャガーiペイス・ベースの前に突然、通行人が進路妨害。緊急対応用のドライバーがすぐに自動運転から、マニュアル運転に切り替えクルマを停車させました。
するとこの通行人、突然、クルマのボンネットに飛び乗り、フロントウィンドウを割る、という迷惑行為に遭遇。強盗ではなく、車両へのイタズラです。緊急用ドライバー、割れたガラスで負傷したそうです。
もう一つの事件は、7月9日午後10時、「ドロレス・ヒル・ボム」というスケートボーダーのイベント後、血気盛んな若者たちがたまたまたむろしていた場所を通った、Waymoのロボタクシーが襲われました。Waymo車両を見かけた若者たち、「強盗」の類ではなく“ノリで襲撃”し、クルマに飛び乗ったり、スプレー缶で落書きしたり・・・、と大盛り上がりしたそうです。
いずれの事件もロボタクシーのブレーキ性能を見越して、の犯罪(迷惑行為)だったのではないでしょうか?いずれもイタズラにしては度を越しています、車載カメラによって撮影されていますからすぐに逮捕されることでしょう。
ただ、このような“想定外”な要素も市街地における自動運転プログラムの要件のひとつとして考慮しなければならない、ということなのかもしれません。停まって襲われるなら・・・、ひょっとしたら危険回避のために逃走する“エスケープ”モードなんてものが重宝されるかもしれません。
いやはや、愚かな人間のために自動運転の開発工数が相当増えそうです・・・。