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その昔、「シューティングブレーク」はカタログモデルとして存在するものではありませんでした。お金持ちがクーペを購入して、わざわざカロッツェリアに依頼してステーションワゴンにあつらえてもらうものでした。
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ジャガーXJ12がベースのシューティングブレーク「イベンター」で一躍有名になった、リンクス。そんなリンクス・イベンターに一目ぼれし、ビジネスチャンスを見出したのがパオロ・グッチでした。グッチ創業者、グッチオ・グッチの孫で、グッチ社のチーフデザイナー、副社長を務めた正真正銘、グッチ一族です。
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今でこそケリング(グッチが買収されたときはピノー・プランタン・ルドゥート)の傘下に収まり順風満帆な業績ですが、その昔は山あり谷ありでした。一族による骨肉の争いは・・・映画「ハウス・オブ・グッチ」でどうぞ!(笑)
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っで、パオロ・グッチ、リンクス社とコラボしてグッチ仕様のイベンター20台限定販売(10万ポンド・・・、現在価値だと20万ポンドくらいでしょうか?)を目論んだのです。荷室には専用デザインのキャリーケースも搭載されるはずでした。
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1990年、ジュネーブ・モーターショーにて’Lynx Designo Di Paolo Gucci’(リンクス・デザインド・バイ・パウロ・グッチ)として披露されました。写真をご覧になれば・・・、その上品さに惚れ惚れします。
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総革張りの内装は仔牛を用いて、アリゲーター加工が施されています。
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まぁ、この頃のグッチはドロドロしていますから、あっという間に商標権侵害で訴えられ、計画は頓挫しました。グッチのロゴを用いているわけではなく、あくまでも“デザインド・バイ・パウロ・グッチ”だから争いようはあったと思うんですが・・・。
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そんなワンオフのグッチ仕様リンクス・イベンターがBonhamsのオークションに出品される、と話題になっていたんですが、あっという間に出品取り消しになりました。2014年、2016年と出品されたことがあるので、グッチに提訴されたわけでは買い手が見つかってしまったんでしょうね。
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いやぁ、それにしても美しいです。リンクス・イベンターをお持ちの方は、グッチ仕様にあつらえてみるのも楽しいかもしれませんよ。
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