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輸入車の先頭を切って投入されたM・ベンツSクラスハイブリッド

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豪華さ550級、燃費350の3割増し

M・ベンツSクラスハイブリッド
Sハイブリッドに積まれたシステムは、1モーター搭載のいわゆるマイルドハイブリッドタイプ。3.5リッターV6アトキンソンサイクルエンジンと、7Gトロニック(7速AT)との間に、三相交流モーター(スターター兼オルタネーター)を含むディスク型ハイブリッドモジュールを挟み込んだものだ。助手席側(左ハンドル車)前すぐのボンネット下には、市販量産ハイブリッド車としては始めてリチウムイオンバッテリー(仏ザフ社製)が収まっている。ちなみに、システムは重量が75kg、全体のサプライヤーは独コンチネンタル社。


プリウスやレクサスのようにEVとして、つまりモーターだけで動くことはない(そうするにはモーターも電池も”小さすぎる”)。アイドルストップを積極的に利用し、回生ブレーキシステムによって効率化をさらに高める狙いのシステムである。これらにより、カタログ燃費は11.2km/l、CO2排出量は186g/kmを達成した。これはカテゴリー最高レベル。ベース車のS350に比べてざっと3割の燃費パフォーマンスアップで、国産車で言えばレクサスGS450h級の燃費/CO2排出量である。
本国名S400ハイブリッドが示すとおり、このクルマは「燃費はV6エンジン級/ダイナミック性能は4リッターV8級」を狙っている。そういう意味ではSといえばV8の550というユーザーまで性能で納得させることは難しいが、それもダウンサイジング時代の流れと思えば納得できるだろうか。内装の仕上げは550と同様に豪華だし、ロングボディしかない。そもそも後席に乗るVIPには性能など関係ないのかも知れない。むしろ550という数字に込められたステータス性が大事だったのだとすれば、HYBRIDがその代わりを十分に果たすことだろう。
M・ベンツSクラスハイブリッド
Sハイブリッドの登場と同時に、Sクラスそのものもマイナーチェンジされた。外観ではグリルが大きくなり、LEDが多用されて、さすがフラッグシップというべき見栄えを手に入れた。ハイブリッド車であることを示すのは、トランクリッドに張られたHYBRIDエンブレムのみという控えめさ。
内装は、さすがに豪華だ。これのどこがエコカーなんだ? と思うくらい。液晶メーター内にハイブリッドシステムの様子が映し出されるのが特徴。
M・ベンツSクラスハイブリッド
走り出す。S350と単純に比べたわけじゃないが、非常に重厚なライドフィールだ。言ってみれば簡易ハイブリッドシステムだから、レクサスGS/LSのように劇的な重量増を招いてはいない。にも関わらず、動きだしは重々しい。それでもモーターのアシストを借りて加速している最中は、4リッターエンジンならこれくらいだろうな、と納得できるパフォーマンスではあった。十分かと問われれば日常的には十分だと答えるだろうが、物足りないかと聞かれればYES。そんな感じだ。
速度に乗りさえすれば、Sクラスらしい威風堂々たる走りをみせる。重々しさも高速域では逆に安定感となってドライバーをリラックスさせてくれる。少なくとも、高速巡航中はSクラスらしさ満開だ。
気になったのはアイドリングストップである。停止する直前、15km/h以下になるとエンジンがストップする。ここまではいい。何も感じない。停止すると、細かな電子音や外の雑音が気になるくらいに静かだ。圧倒的に静かである。けれども、ブレーキペダルを外し、即座にエンジンがかかったとき、やはりブルンと震える。これは仕方ないことだし、他のアイドリングストップ車に比べればわずかな震えだけれども、Sクラスとしては少々、品がない。
もうひとつ、回生ブレーキのフィールも、まだまだ”回生していますよ!”を感じさせるものだ。ブレーキペダルからの反力が不自然に伝わって来る。
いずれも仕組み上理解できる現象なのだが、高級車Sクラスの世界観の中で語れば、少々安っぽいというそしりを免れないと思う。
後席に座る人にはほとんど関係ないことではあるのだが・・・。
M・ベンツSクラスハイブリッド
M・ベンツSクラスハイブリッド

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