2017年8月18日、「掃除機メーカー、ダイソンの動きに興味津々」というタイトルで記事をアップしました。イギリスのインフラ・プロジェクト庁の書類に気になる文言があったんですよ。いやぁ、記録って大切ですねぇ・・・。
当初「政府がダイソンに資金提供をし、新しいバッテリーを搭載したEVの開発を本社があるマルメスブリー・ウィルトシャーにて行う。1億7400万ポンドの投資が行われ、500名の雇用が見込まれる」と記されていました。しかし、いつしか「政府は1600万ポンドを上限とした支援を行い、マルメスベリーで新型バッテリーの開発援助をする」と記載内容を変更・・・。そりゃ、様々な憶測を呼びますよねぇ?(笑)
2019年5月にはダイソンのEVデザインが商標登録されていました(この頃、面倒くさくなってしまい自動車王国のブログ記事更新は停止中でした・・・、記録って大切なのに)。
まぁ、そんなこんなでダイソンによるEV開発は秘密裏に行われていたわけですが昨年、公式にEV開発から撤退が発表されました。
そんなダイソンの創業者である、ジェームス・ダイソン氏のインタビュー記事が5月16日付のThe Timesに掲載されていました。そして、以下のことが明らかになりました。
・ダイソン氏自ら5億ポンドを開発資金として投入
ちなみにダイソン氏、こんなマンションをシンガポールで購入したことでも話題になっていました。ペントハウスの敷地、700坪ですよ・・・。さすがイギリス3番目の高額納税者だった人物。現在は税金の安いシンガポールへ移住しましたね。ダイソンの本社もシンガポールへ移転です。
・ダイソンEVの開発コードネームは「N526」
・N526は全長5m、全幅2m、全高1.7mの6人乗りSUV
・車両重量2.6t
・航続距離は600マイル
・0→60mph加速4.8秒
・最高速度125mph
・動力源は200kWのツインモーター(前後)
・最高出力536bhp、最大トルク480lb/ft
プロトタイプは完成し、ダイソン氏も試乗したそうです。フロントウィンドウの傾斜はフェラーリ並み、ということが自慢だったようです(笑)。しかしながら、1台あたりの利益を15万ポンド確保できないと損益分岐点に到達しないそうです・・・。って、販売台数によって変わると思いますけどね・・・。イマイチ、理解に苦しむインタビュー内容です。
とにかく、1台当たりの販売価格が激的に高くならざるを得なかった。そして、そんな価格だと競争力がなく売れない、という結論に至ったのでしょう。って、プロトタイプを作る前に、この試算できなかったのでしょうか???
このインタビューでは、N526の開発で培った全固体バッテリーのノウハウをシェアする用意がある、と謳われています。莫大な開発費がつぎ込まれているので、回収しようとしているのでしょうね。転んでもただでは起きない、って商人魂はさすがです!
ちなみにN526開発には500名のエンジニアが携わっていたのですが特段、リストラの話はなく、現在はほかのプロジェクトを進行中なのだそうです。掃除機、扇風機、ヘアドライヤー、ランプ、最近ではヘアアイロンまで手掛けている、ダイソン。
次に狙うは、高級電動バイクでしょうか?バッテリーもモーターも得意ですもんねぇ・・・。