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スズキスプラッシュが遂に日本上陸

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女性がターゲットというがボーイッシュな仕上がり

実を言うと、スプラッシュ、第一印象がとても良かった。初めて見たのは’08年の春、フィレンツェの郊外のスーパーストラーダを走っていたとき。”最近のフィアットにしちゃ格好ええやん”と、追い抜かしながら眺めたのがスプラッシュだった。おそらくヨーロッパのジャーナリスト向け試乗会だったのだと思う。こっちはベントレーブルックランズ(これまた試乗会)なんぞに乗って、スプラッシュに気を取られながらちょっと幅寄せ気味になったもんだから、乗ってるどっかのジャーナリストにたいそう睨まれたもの。


そう、ちょっとフィアットっぽい。ポップな色合いといい、尻や窓の切れ上がり方といい、いかにも小生意気でキュートでイタ車っぽい。もっともこのクルマ、向こうではオペルアギラとしても売られている。ドイツと日本の共同作品でインド生まれ、なんだけど。
というわけで前々から気にはなっていて、けれども純ヨーロッパ向けっぽいから日本市場への導入は期待薄だなと思っていたら、トツゼン入った!しかもCVT。うーん、どうせならMTに乗ってみたい気もするが、まあ最初はいいか。
純欧州向け、だから余計に期待したとも言える。スイフト以来、スズキの生真面目な小型車造りには注目しているし、スプラッシュもスイフトベースと聞く。欧州の、コンパクトカーにはとても目の肥えたユーザーに渡すのだから、相当に気合いを入れて作ったはずだ。果たして、その仕上がりは予想以上に良かった、というか欧州車っぽかった。良く言えば、かなり骨太、悪く言えばガチガチ。ワゴンRにも共通するかもね、そのあたり。
たとえば、ヨーロッパの小さな村に住んでいたとしよう。街中の道はそれなりに荒れているけど、まあ、速度は低い。30km/hとかを厳密に守る人も多い。でもって、1kmも走ればもう街から出ちゃう。気持ちのいいカントリーロードが始まる。とまあ、そんな環境が多いわけだから、どうしても郊外路重視のライドフィールになる。スプラッシュもそう。街中は多少我慢、すぐにサイコー気持ちいい、みたいな。
スズキの思惑としては、スイフトがオトコの子よりだったもんで、スプラッシュでオンナの子寄りを狙いたいってわけだが、どうしてどうして、こっちもかなりオトコの子寄りじゃない、というのがボクの感想。カタチや雰囲気はともかく、走りは絶対、そうだ。ツウ好みですらある。だから、MTも欲しいな。古い考えかも知れないけど、そういう人、まだまだ沢山いると思われるし。いかんせん、CVTじゃ宝のシャシーの持ち腐れ感アリ。
インテリアなんかも、ここまで割り切ってチープにしちゃえば、逆に文句なんか言えないんですよ。下手に飾ったり、隠そうとしたりするから、妙に見栄えが悪くなる。このセンスもヨーロッパ車に近いと思います。まあ、だからあまり日本では売れないかも・・・。
目標、月販500台。いいクルマだけに、本当にそんなもんだったら悲しいかぎりだけれど、女性をメインターゲットにマーケティングすると、結局、それくらいに落ち着きそうだ。きゃ! 乗り心地悪い! なんてね。もうちょっと安くして、MTも出して、「昔は、みんなこんなクルマで運転が上手くなったもの」、なんてキャンペーンができれば、かなり違うと思うのだけど・・・。
いずれにしても、スプラッシュ。クルマとしては、かなりいいと思う。上出来のコンパクトカーだし、スズキらしい真面目なクルマ。あまりに真面目過ぎて、ヨーロッパ車調過ぎる点を、どうプラスにアピールできるか。そのあたりかな、問題は。それにしても、フィアット? オペル? スズキラインの血筋って、短い間に相当濃くなったのかもねえ。フィアットバッジ付けてもおかしくないもの。

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