ランボルギーニファンでなくても、開口一番、まずこう尋ねることだろう。
「ところで、新しいガヤルドLP560−4って速いの? 」
それって実は、かなりの難問だ。世の中の99%のクルマより速いという答じゃ、誰も満足してくれないはず。
もう少し質問を具体的に、例えば0→100km/h加速のタイムに限定してみよう。勝手に幾つか質問のバリエーションを作って答えてみた。
Q1:旧型ガヤルドより速いですか?
A1:もう間違いなく速いです。
Q2:スーパーレッジェーラ(ガヤルド軽量化仕様)より速い?
A2:いい勝負になると思いますが、ひょっとすると速いかも。
Q3:ムルシエラゴLP640が相手だと、どう?
A3:ああ、それはちょっと勝つのは難しいと思います。
Q4:フェラーリF430が相手ならどうですか?
A4:ガヤルドLP560−4がカンペキに勝つと思います。
Q5:じゃあ、フェラーリスクーデリアならどうだ!
A5:路面次第でいい勝負になるでしょう。スクーデリアに分があるけれど。
Q6:ポルシェ997ターボが来たら?
A6:オートマが相手なら互角かな。スクーデリア同様、やってみないと・・・。
Q7:日本の誇り、日産GT−Rならどうだ!
A7:ギリ、LP560が負けるかも知れません。
ついでに言っておくと上述した以外に、加速性能でライバルになりそうなスーパーカーは、特殊事例(SSCアルティメイテッドやらケーニグセグやら)を除いて、ブガッティベイロンとM・ベンツSLRマクラーレン、フェラーリ599、ポルシェ911ぐらいしか、もう見当たらない。だから、やっぱりLP560−4は”速いスーパーカー”の1台だ。少なくとも前期型に比べれば、立派に”世界のスーパーカー一体どいつが一番速いんだ頂上決戦”への出場権を得ている。もっとも、これベースのスーパーレッジェーラが出たとすれば、相当に期待できそうだが!
ってな具合のスーパーカーが、新型ガヤルドLP560−4というわけだ。乗った印象では、(ポルシェターボ+アウディR8)÷2という感じで、ランボルギーニ史上最も洗練されたスポーツカーになったと思う。
改良された4WDシステム、足回りもNVH性能アップを狙って一新され乗り心地も絶妙にいい。さらにはe−ギアの制御も滑らかになって、基本的に超安定志向、言うならポルシェ911ラーボライクなクルマに仕上がった。
加速フィールそのものから560psの威力を感じることは難しいし、480psの日産GT−Rの方が乗っててずっと”速い”と思えるし、2WDのミッドカー、例えばフツウのフェラーリF430なんかの方が加速中に心臓がせり上がるようなスリルがあって速く感じる。やっぱり洗練されたファイティングブルである。でも、少しだけ飼いならされた猛牛。飼いならされてはいても、猛牛であることには違いない。そこのところ、間違いの無いように・・・。
それにしても格好は断然、良くなったよなあ。
ランボルギーニらしくなった!