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Editor's Voice

俺たちのミッレミリアPART16

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マドリッドを少し出たあたりで、給油することになった。まだ外は暗い。
ホテルが隣接する薄暗いスタンドに乗り入れる。
もちろんセルフ給油で、カードを使えることを確認してのピットインだった。
タンクを満タンにし、1つだけ灯の点いた窓に向かう。
この時間、ショップは空いていない。だからトイレも入れない。
小用は建物の裏でそっと済ますしかない。
そんな状況なのに、キャッシャーはうら若い女性であった。
うらやましいぐらいに小顔である。
穴がいくつもあいた分厚い透明の板で遮られている。
それでも尚、夜も明けきらぬ時間に現れた東洋人をみて、キャッシャーの女性の表情に、かすかな動揺が走る。
そんなに警戒しなくてもいいよ、というつもりでいつもより大きく愛想笑いをしてみたが、彼女に笑顔はない。
なんだよ、こっちだって疲れているんだからさ、と思ってはみたものの、我々は異邦人だ。
日本のスタンドのおっちゃんおばちゃんも、白人以外の外人なら昼間でも警戒するのだろう。
もっとも、彼女が警戒した訳は、どうやら私が東洋人だから、だけではなかったようにも思う。
だって、私の眼鏡にはまだテープが巻き付けられており、眼鏡をテープで修繕してやってくる東洋人なんて、フツウに考えればろくでなし以外の何者でもないじゃないか!
しばらく走ると、ようやく夜が明け始めた。
と同時に、南に向かうまっすぐな道と、両脇に広がる広大な農地が、こつ然と見えはじめる。
私はこの時ほど、道と農地とが織りなす単純と言っても良い景色に感動したことはない。
それは、生を実感するに等しい眺めであった。
道が、ただただまっすぐに伸びていた。
周りを走るクルマの色が見えることも、前へと進む励みになった。

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