まったりシートには結構ご機嫌
“ミュージックプレーヤー”だっけ?ホンマ、あのTVCMを見たときは、中身を知ってるだけに、なんでやねん!って思いました。若者に媚びるにも、限度っちゅうもんがあるやろ、と。でも、あんなPR戦略も、若者の行動様式をリサーチした結果なんでしょうから、オッサンがとやかく言うことじゃありませんわね。
ということで、ハナっから興味のないクルマやったのですが、カタログを見てちょっと思いが変わりました。若者センスなんか関係なしに、ちょっと良いかもコレって。特にオプションの豊富さ。本カタログと同じぐらい厚みのあるオプションカタログを見ていると”へえクルマってこんなに遊べるんだ、メーカーもんで(編集部訳:純正品で)”なんて。自分でドレスアップするならまだしも、メーカーサイドでこれだけのことができるんなら、これはこれでアリかな。正直に言うと、ちょっと欲しい。
若造りしたいオッサン、なのかも知れませんね(笑)
そんなこんなで、試乗会はちょっと楽しみだったのです。ズンドコズンドコ(編集部訳:音楽)に合わせて光るイルミネーション仕様も、怖いもの見たさ的感覚ながら試してみたいと思っていた。
乗ったのは1.3SのXバージョンと、1.5ZのQバージョン。もうね、グレードやらバージョン名やらをシンプルに英文字1つでやられると、なんだかついていけなくなるのは、歳なんかなあ。整理して言うと、SはFF1.3のベースグレードで、音楽とは無縁のシンプル仕様。それにXバージョンがあって、これにはエアロがついてイルミもつく。
1.5のFFと、1.3の4WDはZというグレードで、Sにいくつかの装備を加えたもの(カラード電動格納ドアミラーとかオートエアコンとか)。これには、Sと同じようにエアロがステキなXバージョンがあって、さらに+αの装備を加えてズンドコ仕様にしたQバージョンがある、という感じ。
要するに注目すべきはZのQバージョン!!
決して、運転することが気持ちいいクルマやないです。フツーに淡々と走る、そんな感じ。否、動くクルマとしてバランスがよく真っ当かというと、ちょい疑問。乗り心地とか、走りの質感とかのレベルは決して高くありませんから。パッソベースのハイトワゴンってことで、限界があるのかしらねぇ。その代わり、停めて乗る分には楽しいというか、こんな風に使える年頃がうらやましいというか。若い時に欲しかったかも、というか・・・。
イルミネーションとか音は、まあそんなもんかなと思いましたけど、例のまったりモード。アレは確かに使えますな。試乗会に朝早く着きすぎて駐車場でひと眠りなんて時でも便利そう。コンビニの前でたむろされるより、社会的にいいでしょうし。
クルマは走ってナンボ、とは思うものの、こうやって停めて使えるのもありだよな。若い時に欲しかったオッサンとしては、イルミネーションはレインボーにして欲しかったし、点滅モードを自分でプログラムできたらもっと楽しいと思うし、自分で改造できる余地を内外装とも残して欲しかった気もするし、で、要するにもっと自由な遊び心が欲しかったなと思う次第。
不惑を過ぎたオッサンには、これぐらいのメーカー的遊び心で十分刺激的なんですが。
ちなみに、このスタイル。4案あったうちの1つで、やっぱりボクシーな提案もあったんだそう。外装はトヨタ案、内装はダイハツ案。でもって、まったりシートのコンセプトは最初から存在したんだそうです。やるじゃない!