CarKingdom.jp(自動車王国)

自動車をメインに、気になる身の回りのネタを編集人独自の視点で斬る自動車王国。

Report 試乗会でこんにちは!

海外試乗会の舞台裏をご紹介!

投稿日:

イイもんですけど、結構ツライです

インターナショナル試乗会とは、一体何か。まあ、簡単に言ってしまえば、新型車お披露目の試乗会なんですが、日本メーカーが日本で日本人向けに行う試乗会と違って、たいがい世界中からジャーナリストや編集者が招待されて行われます。


どんな流れになっているかというと・・・。例えば、アルファロメオブレラの場合。
日本のインポーターから、まずお誘いが来ます。日程と場所が伝えられて、都合が合えば行くことに。なので、パスポートはもちろん、国際免許も用意します。
飛行機はビジネスクラスです。まあ、別にエコノミーでもかまわない気もしますが、続くとしんどいので、やっぱり有難いです。ちなみに、続くときは続くもので12時間だけ東京に居てヨーロッパにトンボ返りしたこともありますし、東京→ハワイ→北米→ミュンヘン→東京の世界一周を、地上1泊で”切り抜けた”こともあります。エコノミーだったら死んでますね、きっと。
さて試乗会の場所なんですが、これはもうその時々で色々です。気候や景観の関係で、ヨーロッパメーカーの場合、スペインやイタリアのリゾートや観光地で行われることが多いようですが、もちろん生産ポイントの近くで済まされる場合もあります。
ブレラの場合は、トリノに泊まって、試乗そのものはテストトラックのあるバロッコで行われました。現地で泊めて頂くホテルは、とっても素敵で高級なところばかり。そういうと羨ましがられますが、いつも思うのは”プライベートで来たいな”ということ。でも、プライベートで来られるようなお値段のホテルじゃないことが多い・・・。
先日もシトロエンC6の試乗会でパリに行きましたが、泊まったのはなんとプラザ・アテネ。入り口にはフェラーリやベントレーやアストンマーチンがどどどーん。まさにセレブ御用達。でもね、ホテルにいたのは10時間ぐらいですよ。睡眠含む、で。もったいないったらありゃしない。仕事で来たら楽しめないけど、仕事でしか来れない、みたいな。ナマ殺しですわな。
たいていの場合、着いた夜か、次の夜にプレスカンファレンスがあります。何ヶ国か一緒に出席なので、基本は生産国の言語。ブレラならイタリア語。で、英語が当然あって、そのほかはスペイン語、ドイツ語、フランス語あたり。まあ、出席者によるわけです。ただ、日本語ってのは最近ほとんどない。代わりに中国語が重要視されるようになってきています。数の力、なんですって。まあ、数千台と10万台じゃあ、そりゃ対応も違いますな。
日本人は仕方なく英語で聞くしかありません。まあ、クルマ用語なんで、それほど苦労はしない。けれど、質問するのは勇気がいりますね。ブレラのときも日本人が質問をしなかったので、広報のサラさんが怒っちゃいました。
メーカー側からは広報のトップ、エンジニアの代表は必ず、場合によっては社長やトップマネージメントが来ることも。そのあたりで、力の入れ具合を見ることもできます。ブレラのときは、アルファブランドトップのK・H・カルプフェルが来てくれました。
カンファレンスの場所は、ホテルの宴会場の場合もありますが、凝ったところも多い。歴史上有名な建物とか。ブレラならトリノの宮殿だったり、C6ならナポレオンの墓があるアンヴァリッドだったり。
カンファレンスが終わると、施設の見学ツアーがあって、最後に特別な部屋でディナーです。もちろん、メーカー側の人間も同席します。ブレラのときはカルプフェル自身が日本人チームの席についてくれました。
夕飯が終わるのが、たいてい夜の11時とか12時。ホテルに戻るとぐったりという寸法。仕事なんぞ残っていた日には、”んもう、プラザアテネがどうした!”って感じ。まあ、観光に来たわけじゃないんで。”ビジネス”、だったし。
翌日。早朝にホテルを出て試乗です。パターンはいろいろで、空港から着いてすぐに新車に乗ってその夜カンファレンスという場合もあります。でもって、ウワサでは、その日のうちに日本へ、という場合もあるそう。エアフラ使えば、朝4時到着の夜23時帰国も可能ですからね。
試乗はたいだい2人1組で乗ります。ルートはあらかじめ決めてあって、よくできたコマ図が用意されています。片方がナビになり、指示するわけです。日本人チームは団体行動が得意。列なして走って、高速道路などで並走を撮影したりします。昼食時にできるだけエンジニアをとっつかまえて質問し、疑問を解いておくのも、肝心。
景色のいいポイントで、その他の撮影を終えたら、だいたい仕事は終わりです。で、ヨーロッパの連中はそのまま帰っちゃいますが、我々はエアフラで帰るか、もしくはもう1泊して翌日帰る。せっかく行ったのだから、とエクストラの取材をすることもままあります。日本からは、やっぱり遠い、ですから。
標準的なスケジュールは、現地1泊か2泊。つまり、3日か4日の旅。ね、ぜーんぜん行きたくないでしょう?いくら招待とはいえ、買い物も観光も、ほとんどできないわけですから。こういう国際試乗会を年に20回以上行かれる方もいます。マイルが溜まっていいなあ、というのも見当違い。溜まっても使えないんです、そういう人は。年に20回以上海外に仕事で行くってことは、マイルなんか使って遊んでいる暇なんかない、ってことですから!
ちなみにボクは今年10回。まだまだですね・・・。

googleアドセンス

googleアドセンス

-Report, 試乗会でこんにちは!

執筆者:


comment

関連記事

no image

新型ミニコンバーチブル極寒での試乗会

毎日オープン、どこでもオープン、のノリで楽しもう 2月の第一週に訪れたオーストリア、飛行機から降り立つと雪だった。にも関わらず、現場のスタッフに悲壮感はない。むしろ、この状況にあって”も笑 …

ピエヒ元VW会長は排ガス規制偽装を知っていた?!

日本ではさほど騒がれなくなりましたが、VWのディーゼル車における排ガス規制偽装の続報です。昨日ドイツのDer Spiegelが、フェルディナント・ピエヒ元会長(写真右側)がドイツ警察当局に明かした内容 …

ジェームス・ボンドの地らしい、控えめな豪邸?!

かつて、アメリカに行くたびに買っていた雑誌に「Robb Report」。いわゆるひとつの“超絶高飛車雑誌”で超高額な自動車、飛行機、不動産、ワイン、腕時計と異次元の世界が繰り広げられていたものです。そ …

入手困難のトヨタ・ランドクルーザー300をピックアップに魔改造?!

Creative Conversionsのインスタグラム オーストラリアで“働くクルマ”と言えばピックアップトラック、通称「ユート(Ute)」です。その昔、まだホールデンやフォードが現地開発・生産を行 …

充電不要のテスラモデルSを目指して・・・

「電気自動車でネックなのは充電することである」 哲学的に聞こえるかもしれませんが、純粋にこう思ったYouTuberがテスラ・モデルSを魔改造したようです。なんとなんと・・・、リアハッチ部分を改造して最 …

Facebook

アーカイブ

カテゴリー