ちょっと前に電気自動車ベンチャー、テスラとトヨタが提携に合意した、と盛り上がっていました。
豊田章男社長は、テスラを結構褒め称えているような感じでした。
トヨタ社のプレスリリースでさえ、前向きな雰囲気が漂っています。
でも自動車王国としてはどーも納得いかず、あえてニュースとして取り上げませんでした。
SECに提出しているテスラのIPO目論見書を読むと、面白いことが書いてあるのです。
・NUMMIを4200万ドル(約38億円)で購入:ただし、中の機械は購入していない。
・現段階において、何らトヨタと電気自動車/電気自動車用部品における契約はない。
・今年の年末までに上場できなければ、トヨタの5000万ドルの出資がなくなる可能性もある。
アメリカ運輸省のラファード長官は先日、日本を訪れトヨタ社も訪問していたようですが・・・、
リコール問題の話もあったんでしょうけど、きっとNUMMIやテスラの話もしてたんでしょうね。
DOE(エネルギー省)から4億6500万ドルもの緊急融資を得ているテスラですが、
あれって日本でいうところのコミットメントラインみたいなもので、開発の進行状況、
厳しく設定されたマイルストーンごとに分割して融資が実行されるんです。
現状、テスラの経営状態は、実は芳しくありません。
っで、ちょっと前向き”風”な提携話にトヨタが便乗させられた、雰囲気を感じてしまうんです。
今後は、世界のトヨタも認めるテスラに出資しませんか?なんて勧誘が増えそうな予感。
まぁ、トヨタにとってみればNUMMIをいかに美しく処理するか、が課せられた難問でしたし。
テスラにとっては今年中に上場できるか否か、が運命の分かれ道のようです。
なんか提携話、買収話を使って出資を募り、IPOでの株価アップを狙い、って
どっかの六本木ヒルズ族みたい(笑)。
テスラでは「S」を量産型電気自動車としたいようですが、開発には難航している模様。
テスラ社への投資を千載一遇のチャンスと取るか、マネーゲームに終わると見るか、
数年後に正解が明らかになるでしょう。
テスラとトヨタの提携について一考
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執筆者:koganemushi