「グッドウッド」と聞いて思い浮かべるのは、「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」だったり「グッドウッド・リバイバル」でしょう。セレブな方々であれば、ロールスロイスの本拠地であることを思い起こすかもしれません。まさか個人宅の敷地とはねぇ・・・。
そんなグッドウッドで空を飛ぶことができるって、ご存じでした?
そもそも飛行場を併設しているので、遊覧飛行は結構前から用意されていました。しかし、飛行機で空を飛ぶのは・・・、フツー過ぎます。時代はジェットエンジンを背負ったり、腕に装着したりで、空を飛ぶんです。まさにSFの世界が現実化しようとしている、のではなく、現実化してきています。
GRAVITY INDUSTIRIESが製品化しているのが「JET SUIT」。ニュース映像なんかでイギリス海軍によるテストフライトで海面を移動するところが報じられたことが記憶に新しいかもしれない。現状、お値段44万ドルと言われていますけど、時間の経過とともに、もっと身近な存在になっても不思議ではないでしょう。
そんなJET SUITお試しプラン「フライト・エクスペリエンス」、「フライト・トレーニング」が、グッドウッド敷地内に用意されているんです! 唯一、残念なのは“自由”に飛べるわけではなく、専用の“台”の上で安全帯を付けた(墜落しても地面に落下しないように)フライトのみ、という点でしょうか。まぁ、パッと行って、パッと飛ばしてくれて・・・、安全帯は必須ですよね。
フライト・エクスペリエンスは3セッション(時間は不明)で2000ポンド、フライト・トレーニングは8セッション(ランチ込み:10時集合、16時解散)で6000ポンドです。今の為替レートで前者が約33万円(+VAT)、後者が約99万円(+VAT)なので・・・、決して安くはありません。
JET SUIT自体が高額なので、仕方ありません。ビジネスクラスで東京からロンドンに飛んだと思えば・・・w
動画を見ると楽しそうですよねぇ。1分間に4リットルの燃料を消費し、今のところ4分間のフライトが限界だそうです。ジャイロを搭載して、もっと安定させることもできるけど、それだと楽しみが減る、という理由で現在は見送っているようです。
当初、GRAVITY INDUSTRIESにビジネスモデルはなく、ただただ空を自由に飛べたら楽しいだろうな、という思いだけで開発が進められたJET SUIT。へ?開発資金は?って思ったけど、きっとJET SUITのアイディアに賛同してくれたパトロンがいたのでしょう。
最近は軍事用として、またレスキュー用としてのポテンシャルを探っています。そして、やっぱり純粋に“遊び”道具としての参加者同士でスピードを競う「RACE」の展開も目論まれているようです。空飛ぶ人間のレース・・・、面白そうじゃないですか!
JET SUITしかり、eVTOLしかり、空飛ぶバイクも本格導入され始める昨今、“空飛ぶモビリティ”業界が活性化しています。日本でも空飛ぶバイクの開発が脚光を浴びていますが、個人的には空飛ぶタクシー業界に興味津々です。
トヨタが出資するJOBY、ホンダが手掛ける全く新しいeVTOL、熱いです。アメリカでは飛行場から都心部への移動にeVTOLを用いることで、渋滞中ならUBER(EATSではなくオンデマンド・タクシー)よりも安い、という試算もなされているとか。
飛行機に乗るほどの距離ではないけど、電車やクルマだとちょっとダルい、という場所への移動需要・・・、かなりあると思うんです。無駄に規制の多い我が国ニッポンですが・・・、eVTOLや空飛ぶモビリティに優しい世の中が訪れますように。