「EVは儲からない」のが今の常識です。実際、テスラの利益、ほとんどが「カーボン・クレジット」なるCO2排出枠を自動車メーカーへの販売から生み出されています。ただ、テスラが上手なのは“プレミアム”ブランドとして、思いのほかの高額車両販売が継続できていることでしょう。しかも、宣伝広告費は最低限に抑えられています。
まぁ、販売ボリューム、技術革新によりEV販売単体での利益確保も実現できるかもしれませんね。先日取り上げたダイソンのEV開発白紙撤回は一台当たりの赤字、見込み販売台数、得られるカーボン・クレジットのバランスが取れなかったのでしょう。この点、テスラは計算が上手だった、ということでしょうか?一体、誰が何を使って計算したのか知りたいですね・・・。
いずれにせよ、自動車メーカーは例え赤字を出そうともEVや燃料電池自動車に手を出さざるを得ません。彼らはポートフォーリオ理論で動いていますから、従前の内燃式エンジン車で稼ぎながら、カーボンオフセットのために取り組みます。
そんな状況下において、フォードが面白い特許申請しています。自動車王国が名付けるに・・・「ルーフ装着型、全方向拡張式ソーラーパネル」です。まぁ、ご覧ください。
ルーフボックスのようなものをクルマの天井に装着し、中にはフレキシブル・ソーラーパネルが収まっている、というアイディアです。天井の面積だけでは十分な発電量を得られないので、車両全体をカバーできるようなソーラーパネル、というわけです。もちろん、停車中にしか使えません(笑)。停車中にイタズラされる可能性は無視しましょう・・・。
そういえば、トヨタ・プリウスPHVにはルーフ一体型ソーラー充電が28万6000円(消費税込み)のオプションとして設定されていますね。28万6000円分の燃料・電気代が削減できるのに、どのくらいの時間を要するのかさっぱりわかりませんが意識高い系界隈でもっと話題になっても・・・、と思います、はいっ。
もとい。
特許申請は必ずしも商品化につながるものではありません。あくまでもアイディアの権利保全ですからね。そういえば、かつてフォードは車載式EVバイクでクルマの車輪を用いるアイディアを特許申請していました。
いやぁ、エンジニアの発想力って面白いっ!