アメリカ・フロリダ州のフェラーリ正規販売店「Ferrari of Palm Beach」に対して、元営業マンから不当解雇の訴訟が争われています。しかし、もう不当解雇の論点よりも、訴状に書かれているほかのことのほうが世間をにぎわせています。
その中身とは・・・、オドメーター(走行メーター)のリセットなんです。
フェラーリの診断テスター「Ferrari DEIS」は車両の状態を把握するもので、ネットを介してデータはイタリアのフェラーリ社にも送られるものです。っで、このFerrari DEISなんですが、オドメーターを「ゼロ」にリセットする機能も付いているんですって。リセットする条件はいくつかあるようですが、訴状には詳しくは記されていません。なお、リセットにはフェラーリ社からの認証が必要とのこと。つまり、フェラーリ社も把握する、ということです。
元営業マン、ロバート・ルート氏は以前、アメリカの大手デザートメーカー「サラ・リー」の元CEO、スティーブン・マクミラン氏と走行距離のリセットについて話をしたことがあるそうです。そして、元CEOが所有するラ・フェラーリのオドメーターをゼロにリセットすることをメカニックに依頼し、約1億円近い車両価値のアップを図った、と訴状には記されています。なお、マクミラン氏は名誉棄損で現在、ルート氏を訴えています。
走行メーターの改ざんはアメリカでも違法行為ですし、ディーラーとしての責任問題が発生します。そこで、この話をしたロバート・ルート氏が“悪の原因”として解雇されました。オドメーターをリセットしたメカニックが解雇されたわけではありません。ちなみにルート氏が解雇されてから、店長が付き合っていた営業経験ゼロのカノジョ(後に結婚)が後釜となったそうです。
今、弁護士はフェラーリ社に対して集団訴訟(フェラーリ社がオドメーターのリセットを把握しているから・・・)の動きもあるようで、ちょっと気になる事件となっています。