皆さん、フォード・エクスプローラー(旧々型)横転問題、覚えていらっしゃいますか?ファイアストンタイヤのバーストが問題視(該当タイヤ生産時、ストライキのため臨時工員が採用されていた、指摘されていたタイヤ銘柄100万本サンプルのうち300本弱に問題発覚など)され約1440万本がリコールされました。と同時に、当時のエクスプローラーがリア・タイヤバースト時に構造上、極度のオーバーステアになるとの指摘もあります。Googleで検索すると色々出てきます。肝心要の米国高速道路交通安全局(NHTSA)はエクスプローラーに問題ナシ、としていますけどね・・・。
Autoblogが取り上げたのは、母親を当該エクスプローラー横転事故で亡くした二人の息子兄弟
によるYouTube動画です。文面からすると「フォードは悪くない」というプロパガンダっぽいですけどね。メディア・リテラシーの教材として、優れている記事かもしれません。
美しい歌声、ピアノの音色、画用紙に書かれた子供たちのメッセージ、差し込まれる生前の美しい母親の姿・・・、涙を流さずには見られません。
ママのために作ったよ。
愛しているし、寂しいよ。
グレゴリー&ライアン・・・、と始まります。
曲はヴァネッサ・カールトンの「A thousand miles」の替え歌で、いかに母親に会いたいか、という内容になっています。
「ママはボクがピアノを弾くところを見たことがない」
ここで涙腺がいっきに緩みます・・・。
エンディングは、息子のライアンが赤ん坊の頃、ふてくされた姿で撮影されているんです。
「30年後の貴方にコレを早く見せてあげたいわ(笑)」と母親のコメント・・・。見せる前に、亡くなってしまったんです。
画用紙や画面に登場するメッセージは・・・
「ママがこの車を運転中にパンク・・・、そして横転した」
「まだ、初代エクスプローラーは数多く道路を走っている」
「まだ、この車を持っているなら、運転しないでください」
「怪我をする恐れがあります」
「フォードさん、この車を買い上げてください、もう誰も怪我をしないように」
「タイヤのせいじゃなかった」
「まだ、たくさん走っている」
「我々の目的は”誰か”の命を守ること」
「ママはヒーロー」
「まだ初代エクスプローラーに乗っている人がいたら”Ford Explorer Roll-over”をGoogle検索させて」
訴訟内容は明らかではありませんが現在、この家族はフォード社を訴えているようです。いやはや、このビデオは強烈なインパクトを陪審員に与えるでしょうねぇ。もちろん、そういった事前情報を知らない人が選ばれる建前ですが、この情報化社会においてねぇ・・・。
不謹慎ながら、弁護士の差し金という可能性も否定はできません。世論を味方につけて裁判に臨む、って戦法だって勝つためにはあるんです。
広い意味でのソーシャルメディア(この場合、YouTube)の新しい活用法なのかもしれません。
Our View
Two young boys who lost their mother, Nicole Miller, in 2004 after the Ford Explorer she was riding in blew a tire and rolled, causing her fatal injuries. The National Highway Traffic Safety Administration investigated the Ford Explorer and found it just as safe – or just as dangerous, as the case may be – as any other sport utility vehicle of the same era. For what it’s worth, Firestone did recall 14.4 million tires, including the ones fitted as standard equipment on many Ford Explorers built between 1991 and 2000. But it isn’t Firestone that the Miller boys’ video targets, it’s the Ford Motor Company.