アストンマーティン・ブルドッグというクルマをご存じでしょうか?ワイド&ローなプロポーションで角ばったスタイルは・・・、まるでテスラのサイバートラック。うーん、見れば見るほどサイバートラックに見えてきます(笑)。
車名の「ブルドッグ」は犬ではなく、当時のアストンマーティン社長だったアカン・カーティス氏がかつて操縦していた、スコットランドの戦闘機が由来。1979年にお目見えし、最高速度200マイル(320㎞/h)を目指した、正真正銘の「スーパーカー」でした。あの頃は言ったもん勝ちだったような気がしてなりませんが・・・。
5.3lV8エンジンにはギャレット製ターボチャージャーが2つ装着され、最高出力はなんと608ps!ベンチテストでは、エンジンの最高出力を710psまで引き上げても問題なかったそうです。っで理論上、最高速度237マイル(381㎞/h)に達するとアストンマーティンは発表していましたけれども、1979年に行われたテストでは192マイル(307㎞/h)が限界だったそうです。
残っているものですねぇ・・・。ブルドッグ発表時、デザインを手掛けた、ウィリアム・タウンズにインタビューした動画がありましたよ!
いやぁ・・、307㎞/hも出たことに感心しますし、ドライバーは相当な命知らずとしか思えません。フロントバンパー下の形状、本当にダウンフォースを生むんですかね?あっ、ちなみにこのデザインでのCd値は0.34ですって。
そんなブルドッグですが、カーティス社長の後任、ヴィクター・ゴーントレット社長によって販売計画は白紙撤回されました。25台くらいの販売を見込んでいたようですが、コストがかかり過ぎるから・・・、って、そんな計算、事前に綿密にするもんじゃないの?あー、だから、アストンマーティンは何度もひん死の危機に・・・。
っで、生産された唯一のブルドッグは、1984年に中東のコレクターに13万ポンド(当時)で売却されたそうです。そのコレクターによって両サイドにサイドミラー、リアカメラが装着されたそうです。
以後、アメリカのコレクターの手に渡り、いつしか外装色が塗り替えられ、内装の本革も張り替えられたそうです。
っで、2020年、ブルドッグ復活プロジェクトが立ち上がりました。計画したのは・・・、ブルドッグの販売計画を白紙撤回したゴーントレット元社長の息子、リチャード。なんかイギリスらしい、というか皮肉っぽいですよね。
ということで、またアメリカの別なコレクターにブルドッグを購入してもらい、現在、イギリスのクラシック・モーターカーズでレストア中だそうです。まずはオリジナルの状態に戻し、当初の目標であった、最高速度200マイル(320㎞/h)を達成させる、とのことです。
クラシック・モーターカーズのFacebookページではレストア模様がちょくちょくアップされているようなので、要チェックです!