普通乗用車に電気自動車化の流れが活発化する昨今、レンタカー業界にも電気自動車化の流れが押し寄せています。アメリカではハーツがテスラ・モデル3を10万台発注したことが話題になりました。先月、ハーツは向こう5年間でGMに17万5000台、ポールスターに6万5000台に電気自動車を発注しており、レンタカーのEV化の加速度合が伝わってきます。
一方、ヨーロッパ(ドイツ、フランス、オランダ、イギリス)ではレンタカー会社、シクストが2028年までに中国のBYDから10万台の電気自動車を購入する、と発表しました。年内には数千台の小型SUV ATTO3がデリバリーされる見込みだそうです。フロントに電気モーターを搭載し最高出力は150kW(204ps)、航続距離は420㎞(WTLP)というもの。
シクストは独自の充電拠点をヨーロッパ各地に整備する予定で、2030年までにヨーロッパにおけるレンタカーの70~90%を電気自動車にする、という目標を掲げています。また、BYDとシクストはヨーロッパ以外でも協業の可能性を探る、としています。
発電のことを抜きに考えたら・・・、ATTO3をタクシーで活用する、ってアイディアもアリですよね?例えば東京であれば、関東運輸局による運輸規則公示内容と主旨で一日の走行距離は「365㎞」(高速道路を除く)と“規制”があるはず。420㎞走れるのであれば、なんてちょっと頭をよぎります。もっとも電池残量次第で乗車をお断り、なんて状況があったら苦情の嵐なんだろうなぁ、とも・・・。
それにしても最近、中国の電気自動車メーカーの話題が世界を席巻しています。ただ、儲かっているか否かは別な話である、とAutomotive Newsが報じていたことも興味深いです。
中国の電気自動車三銃士と呼ばれている小鵬汽車(Xpeng)、理想汽車(Li Auto)、上海蔚来汽車(NIO)いずれもまだまだ赤字なんです。第二四半期、小鵬汽車(Xpeng)は3万4422台(前年同月比98%)、理想汽車(Li Auto)は2万8687台(前年同月比63%)、理想汽車(Li Auto)は2万5059台(前年同月比14%)の電気自動車を販売。
しかし第二四半期、小鵬汽車(Xpeng)は27億元、上海蔚来汽車(NIO)は28億元、理想汽車(Li Auto)は6億4100万の純損失を叩き出しているそうです。ほかのメーカーの第二四半期を見ても重慶長安汽車は、傘下の電気自動車部門が2億5200万元、GACの電気自動車部門で14億元の純損失を計上しているとか。
損して得取れ方式で、普及が進むにつれ利益が出る設計なのでしょうが・・・、なかなかの状況ですよね。
一方、BYDは第二四半期までに64万1350台を販売し、中国第二のEVバッテリーメーカーでもあり、36億元の純利益を計上しています。さすが、ウォーレン・バフェットが目をつけた会社・・・、ですね。