三菱自動車がイギリス市場へ参入したのは、1974年のことでした。どういう経緯で選ばれたのかは不明ですが、かつてアルファロメオやBMWのイギリスにおけるナショナル・セールス・マネージャーを務めていた、マイケル・オーという人物に委ねることに。
三菱車のイギリスにおける総販売代理店としてマイケル・オー率いるコルト・オートモーティブ側が51%、三菱自動車側が49%出資する「コルト・カー・カンパニー」が設立されたそうです。約10年間は「コルト」ブランドで販売し、やがてMITSUBISHI MOTORS CORPOATIONの名称に統一。
三菱車のイギリスでの販売は順風満帆で約20年に渡り、自主的に1万2000台という輸入制限を設けていたとか・・・。というのも、あまり輸入車を売ると地元される自動車を守るために関税引き上げられてしまいますからね。しかも、マイケル・オーがCEOを務めていた時代は、毎年10月くらいには売り切っていたそうです。
長年の功績もあって、イギリスは特別扱いされていたんでしょうか?だってランサーエボリューションには「FQシリーズ」(一説にはFucking Quickの略・・・)というハイパワー限定モデルがイギリスだけで展開されていましたもんね。
2008年にはコルト・オートモーティブの全株式を三菱商事がオランダに設立している子会社、MCAE社(MC Automobile (Europe) N.V)が取得して完全子会社化。そこからは下り坂の一方で昨年、ヨーロッパからの撤退が発表されました。もちろん、イギリスも例外ではありません。
新型車の投入は凍結され、今後は同盟会社であるルノーからのOEM車両を販売していく、という方針です。
そして英国三菱が所有していた、ヘリテージ・コレクションならびに三菱自動車(MITSUBISHI MOTORS CORPORATION)を意味する「MMC」のナンバープレートをオークションに出品するそうです。
そして、英国三菱の元本社も売却/貸出に出ています・・・。時代の流れは時に残酷です。
いわゆる経営資源の集中と選択、というやつで三菱自動車はアセアン、オセアニア、中南米、アフリカに経営資源を投入して復活を目指す、とのことです。