今、自動車ニュース界隈を賑わせているのが、AMG A45Sによる「エルクテスト」や「ムーステスト」と呼ばれるダブルレーンチェンジ・テストの結果です。77㎞/hでは不合格っ!ってちょっとだけ話題です。
そもそもダブルレーンチェンジはISO3888-2規格で統一されています。
上の図を御覧ください。左側から車両が入ってくるのですが、任意設定のスピードでコーンが両脇に計6本並んでセクション(12m)に入り、即座にアクセルオフ。ここで侵入スピードを計測します。なお、このセクションの通行レーンの幅は、車幅×1.1+25㎝です。ここを第一セクションと呼ぶことにしましょう。
次のコーンがあるセクションへはステアリングを左に切ります。第一セクションにおける車両進行方向左側のパイロンと、次のセクションの車両進行方向右側のパイロンの差は1mで、移動区間は13.5m。なお、第二セクションの長さは11mで通行レーンの幅は車幅+100㎝です。
次にまた、ステアリグを右に切って、12.5mの間に元のレーンに戻り通過速度を計測。どのパイロンもヒットしなければ「合格」というルールです。なお、最終セクションの通行レーンの幅は3mとなっています。
っで、懸案のAMG A45Sですがテストをしたのは、KM77.comというスペインの自動車サイトです。その名の通り、77㎞/hが彼らのひとつの基準にあるようです。結果は75㎞/hまで速度を落とさないと、ダブルレーンチェンジに合格できませんでした、ってお話なんです。
ただねぇ・・・、どうなんでしょう?ドライバーの技量は本当に無関係なんでしょうか?例えばポルシェ911カレラ4S(992型)を見てみましょう。
【StartYourEngines】
KM77.comの侵入スピードは81㎞/h、StartYourEnginesの侵入速度は80.61km/h、両者、ノーマルモードです。
いわゆる“第二セクション”の挙動も違えば、“第三セクション”もずいぶん、異なりますよ。StartYourEnginesX主宰、清水和夫さんは第三セクション出口でアクセルを踏み込んで車両の姿勢を立て直していますが、なーんか、ずいぶん、挙動が違いません?
というわけで、AMG A45Sの結果を悲観する必要はないかな、と個人的には思う次第です。ちなみに、似た寸法のBMW M235Xドライブも77㎞/hでは不合格だったそうです。
本当は人間よりも、アクセルやステアリング操作を専用マシンで行うほうがフェアなのかもしれませんね。