電気自動車へは様々な業界から新規参入が見込まれています。今じゃ一流どころの電気自動車メーカーとして認知されているテスラだって、言ってみればポッと出なんですから・・・。誰にでもチャンスがある!という点では歴史上は産業革命のひとつなのかもしれません。
そんななか、イギリスの掃除機メーカー、ダイソンで何やら怪しげな動きが・・・。今年はじめ、テスラから広報担当者を引き抜き、先日はアストンマーティンから購買部長を引き抜いています。
2008年にはダイソンが電気自動車を作るかもしれない、という巷に流れる噂を全面否定した過去があります。昨年はイギリスのインフラ・プロジェクト庁が出した書類に気になる文言が出ていたことも話題になっていました。
当初「政府がダイソンに資金提供をし、新しいバッテリーを搭載したEVの開発を本社があるマルメスブリー・ウィルトシャーにて行う。1億7400万ポンドの投資が行われ、500名の雇用が見込まれる」と記されていました。しかし、いつしか「政府は1600万ポンドを上限とした支援を行い、マルメスベリーで新型バッテリーの開発援助をする」と変更されています。
一瞬、やっぱり電気自動車作るんじゃないか、と自動車王国も思ったんですよ。ダイソンが持っているブラシレス・モーターって効率的ですからねぇ、これを大型化して・・・、なーんて思っていました。でも、インフラ・プロジェクト庁が記しているように、ヒントはバッテリーにあるような気がします。
2年前にダイソン、ミシガン大学からスピンアウトした電池メーカー、SAKTI3を買収しているんですよね。投下資金は300億円を優に超えています。そして、SAKTI3の売りはリチウムイオンバッテリーの電解質を既存の液体から、固体に変えたこと、なんです。
ほう、新種のリチウムイオンバッテリーねぇ、と思っていたら、先月TECH CRUNCHに「トヨタ、高性能の全固体電池を開発――2020年にも実車搭載へ」という記事が掲載されていたことを思い出しました。電解質の固体化・・・、偶然の一致でしょうか?
自動車メーカーからの引き抜きが続いているダイソン、やっぱりこの新型リチウムイオンバッテリーの自動車業界への売り込みを目論んでいるんじゃないでしょうかねぇ?