省エネであることが低燃費につながる
ハイブリッドカーに採用されている技術はすべてが専用開発されたもの、というわけではありません。従来の内燃式エンジン搭載車で培った技術、そしてハイブリッドカー専用に開発した技術、両方を盛り込んでいます。そこでハイブリッドカーを支える省エネのポイントを見てみましょう。
まずハイブリッドカーには、アイドリングストップ機構が採用されています。ハイブリッドカーの動力源である内燃式エンジンと電気モーターは、ドライバーのアクセル踏み込み量に応じて、いずれかを稼動させたり、両方を稼動させたりしてくれます。しかもバッテリーに残量があるかぎり、ハイブリッドカーが停車すると内燃式エンジンはアイドリングストップします。だから燃料消費量が少なくて済み、環境に優しいといわれているのです。
世界を凌駕させたプリウスは誕生から10年。
当初は赤字覚悟のプロジェクトだったと噂されているが、今ではちゃんと利益をもたらすクルマに成長した。215万円で登場したのは「21世紀にGO」という意味だったともいわれている。
昨年登場した2代目ホンダシビックハイブリッド。
トヨタのハイブリッド方式とは若干異なるものの、運転する楽しさを忘れていないクルマ作りにホンダ独自のDNAを感じさせる。今後は小型車でのハイブリッド展開が予定されている。
レクサスLS600h
レクサスLS600hは燃費重視というよりも、V12エンジン並みの性能を兼ね備えていることがポイント。1000万円オーバーというプライスが掲げられているが、唯一無二のハイブリッド高級車になっているのは間違いない。
進化の余地がまだある内燃式エンジン車
そのほか、省エネにつながる特徴的な機構は電動パワーステアリングや、省エネタイプのエアコン、そして回生ブレーキでしょう。先の2つは従来のコンパクトカーから培った技術で、回生ブレーキは電車からヒントを得ているようですが、ハイブリッドカーで確立された技術でしょう。聞こえは難しいですが、要はブレーキング時におけるタイヤの回転を使って発電させているのです。従来のクルマでは、文字通り捨てていたエネルギーですから画期的ですよね。
では、従来のクルマに採用するとどうなるのでしょう?そんな発想を具現化してきたのが、BMWです。ドイツ本国で1シリーズがマイナーチェンジされたのを機に、ハイブリッドカーに採用されている一部技術を盛り込んできました。また、BMWグループであるMINIにも同様の変更を加えるとのことです。日本仕様車の詳細は発表されていませんが、ちょっと気になる話題です。
回生ブレーキの採用が目玉の新BMW1シリーズ。
アイドリングストップ機構を装着するのはMT車で、ギアをニュートラルに入れると自動的にアイドリングストップする。発進時にギアに入れると、エンジンが始動する。
BMW1シリーズ同様のマイナーチェンジが施されるMINI。
こちらも日本仕様の詳細は決まっていない。日本未導入のディーゼルモデルの燃費(市街地・高速混合)は21km/lから24km/lへと向上し、CO2排出量も削減。
地球温暖化が叫ばれる昨今、なにかとハイブリッドカーや燃料電池車がもてはやされる時代ですが、従来の内燃式エンジン搭載車もまだまだ進化の余地がある、ということを感じさせる話題でした。