唐突ですが、ポルシェ・カレラGTって普遍の美しさを感じさせてくれると思いませんか?直線美と曲線美が折り重なり時代、時代における911の要素も残しつつ、あの甲高いV10サウンドは・・・、 垂涎ものです。
そんなカレラGT、アメリカにおいて4月に出されたリコールには驚かされたものです。だって市販されてから20年弱ですよ?何が壊れても「経年劣化」で済まされそうなものですが・・・、そうは問屋が卸さない時代なのでしょう。
前後サスペンションのコントロールアーム類に採用されているボールジョイントに腐食の恐れがある、というので全車リコールになりました。 アメリカにおける対象台数は489台です。
この時、489台がどれほどのモノか、あまり深く考えませんでした。そして7月、ついに日本でもカレラGTを対象に同じ内容のリコールが発表されました。
対象台数は34台です。これには正直、「少なっ!」って思いましたね。アメリカの14分の1ですよ。アメリカと日本の人口比が3:1のところ、カレラGT比では14:1!ここから俄然、別方向に興味が沸いてきました。各国のカレラGT割り当て台数をリコール情報から垣間見られるかもぉ、って思ってしまったんです。
オーストラリアはたったの12台。でも、オーストラリアと日本の人口比は1:4ですから結構、売れたことを意味しますね。
肝心要の本国ドイツは?と思ったら丸っとEU全体でリコール出したよぉ、って発表だけで台数掲載はありませんでした。そして、ワタシの“リサーチ”も壁にぶち当たってしまいましたw
それにしてもアメリカのリコール届出は詳細です・・・。問題発覚のきっかけ、問題部品、問題部品のメーカー、対処法など事細かに記されています。一般人が理解できようと、できまいと、情報を開示する姿勢は・・・、インフォームド・コンセントを大切にしているからでしょうか?
っで、問題のボールジョイントは「カール・ヒルシュマン」というメーカーが製造したものだそうです。ボールジョイントはフォルクスワーゲン、BMW、アウディそしてポルシェなどに納入していることがホームページで謳われています。ポルシェに至ってはカップカー、GT3、918スパイダーなどにも採用されているとか。
ボールジョイントのページをどんどんスクロールすると、なんとリコール問題に揺れているカレラGTの詳細ページも設けられていました。ただ、リコール対応のためのページではありません。どうやら、カレラGTに採用されたことが誇らしくて過去に作られた、カール・ヒルシュマン製品の納入部品についての解説がなされているもの、のようでした。
っで、このリコールとなったボールジョイントには「X46Cr13」と呼ばれるステンレス鋼から、「42CrMoS4」と呼ばれるクロムモリブデン鋼に変更されるそうです。何の役にたつかは不明ですが、カール・ヒルシュマンって名前を憶えておこうと思いました。