日本で御料車が一般に払い下げられることはありません。理由は「保安上の理由」とされていますが、真相はどうなんでしょう?「トヨタセンチュリー」、「50系」、「6人乗り」と検索すると、宮内庁で用いられていたものが払い下げられたことがあるようですが。
アウトロー発言で世間を賑わせる某健康食品メーカーの会長、ストレッチリムジン好きなんですが、お乗りになるクルマは下取りに出すことはなく必ず廃車処分する、と聞きます。自分が乗っていたクルマを他の人間に乗せるのは、嫌なんですって。
まぁ、個人なら自由かもしれませんが、御料車や元皇室車両は・・・、よほど特殊な車両でないかぎり、二次流通時に価値が見出されるのであれば、売却して資金の“有効活用”してもいいと思うのですがね。
モロッコの元王様、ハッサン二世(1929年-1999年)がお乗りになっていた、1977年式ロールスロイス・カマルグがドイツのクラシックカーディーラー「Fantastic Vehicles」によって販売されているようです。
しかも、このカマルグ・・・、単なるカマルグではなく、「鷹狩専用車両」としてスイスのフランコ・スバーロがワンオフ製作したものです。さながらデューンバギーといった佇まいになっています。
フロントウィンドウは折り畳み式、ドアやルーフは取り払われ(簡易式幌は完備)、砂漠に対応したワイドタイヤ装着のためにワイドフェンダー化。フロントシートのシートベルトは4点式?そのほか、なぜかエキゾーストパイプがリアバンパーサイドに移設されています。写真を見る限り、内装の状態、かなり良さそうですよねぇ。
2016年、24万8000ユーロで売買されたことがBring a trailerで報じられていて、今回の販売価格も24万8000ユーロです。
まぁ、販売しているFantastic Vehiclesさん、かなり個性派のクルマ屋さんなので、実車を見てからの購入がよろしいかと存じます。1950年生まれの店主、ミハイル・フレーリッヒさん、普段は外装だけボロボロのロールスロイスで移動している個性派。そして、極めつけは1950年式のクルマ50台を“土に返す”プロジェクトで話題を呼んだ人物でもあります(笑)。
ハッサン二世もまさか、ご自身の鷹狩専用車両がこのような店主に取り扱われることになるとは、思ってもみなかったでしょうねぇ。