LAタイムスのコラムでアメリカ・ロサンゼルスの「ニッサーニ・ブラザーズ・ヒュンダイ」というヒュンダイ・ディーラー(正規販売代理店)の悪事を取り上げていました。
なんでも顧客がクルマを修理に持ち込んだところ、車両をレッカー車で第三者が運営する車両保管庫へ移動したというのです。これのどこが悪事、って思うでしょ?ディーラーの敷地は有限ですし、パーツが揃って作業できるまで車両はどこかに保管しておくものですからね。
ただ、この顧客・・・、この第三者からレッカー移動代金ならびに車両保管料(1日につき150ドル)、総額6000ドルを請求されたのです・・・。しかもキャッシュレス(クレジットカード、デビットカード、小切手)が当たり前のアメリカで、全額現金での支払いを要求されたそうです。さらに支払いがなされない場合、車両を競売にかける、と脅されたとか。
ヒュンダイ本体もこの話を聞きつけ、さすがに“こりゃないわ”となり車両を顧客の代わりに引き上げ、ほかのディーラーで面倒を見させているとのことです。被害者の数、ヒュンダイが把握しているだけでも11名はいるそうです。
しかも先の6000ドルを要求された顧客・・・、車両を今のディーラーで診てもらったところ記録にはエンジン交換歴があるのに、エンジンは新車時のまま、という摩訶不思議なことが発覚したそうです。これって・・・、ニッサーニ・ブラザーズがヒュンダイに対して詐欺ったってことかも・・・。いやぁ、「監査部」の大切さを思い知らされます・・・。
ちょっとググってみるとヒュンダイだけでなく、自動車ディーラーは複数展開しているほか不動産デベロッパーでもあり、ガソリンスタンドや洗車場なども手掛けているようです。ふーん、と思っていたら、CEOの名前はフーマン・ニッサーニ。
そんな彼をググってみると昨年、洗車場従業員の給与が最低賃金を下回っていたことと残業代未払いで罰金を食らっていました・・・。その額、240万ドル。
もっとググってみると、かつてトヨタも取り扱っていたようなのですが、そこで用意されていた「VIPロイヤリティ・プログラム」が話題になっていましたね。なんでも車両所有期間中はタイヤ交換、洗車&車内清掃、オイル交換が無料になるものだったそうですが・・・、ディーラー権を売却して、このVIPロイヤリティ・プログラムが新体制では無効になった、というものです。
ユーザーからは非難囂々だったようですが、残念ながらディーラーの運営母体が変わっているからしょうがない気はします。また、契約書には見えないような小さい文字で契約終了事項に明記されていると思いますね、これは。回数券取り込み詐欺と似た手口ではありますねぇ・・・。
ニッサーニ・ブラザーズ・オートモールというサイトが、彼らが営む自動車ディーラーのサイトです。個人的に気になるのは未だにヒュンダイのロゴが掲載されていることです・・・。
そして、アキュラ(ホンダ)のディーラーもやっているようですが、なぜかホームページはダウン・・・。
日産のディーラーは平穏無事なようですが、ここにもありますねぇ前述の「VIPロイヤリティ・プログラム:・・・。
LAタイムズの凄いのは、「クルマをニッサーニに預ける際は、GPSトラッカーを車内に入れておくことを勧める」と締めくくっていることです。
私がホンダや日産関係者であったなら即刻、臨時監査を指示しますね・・・。