7月4日、夜10時半。トリノの街中が大興奮です!ついに、新しいフィアット500が町を走り始めました。イタリア中が大盛り上がりでしたが、やっぱりお膝元トリノは別格の盛況ぶり。トリネーゼが熱い視線を注ぎまくる中、新しいチンクェチェントに早速、乗ってみました。
新型チンクェチェントがポー川の上空を舞うと、7000人以上の観客が一斉に盛大な拍手で誕生を祝います。グランドスタンドの目の前で、何千発もの花火が打ち上げられ、人々は熱狂の渦へ。その夜はノッテ・ビアンカ、朝までみんな大騒ぎ・・・。
ポー川を舞う新型500
翌朝。イベントの興奮をひきずったまま、オリンピックスタジアムで開催される発表試乗会へ。カンファレンスには世界中から1000人のジャーナリストが集まって、フィアットブランドの若きカポ=ボス、デ・メオの自信満々のプレゼンテーションに聞き入ります。チンクェチェントは新しいフィアットの象徴だ!
フィアットブランド社長の、ルカ・デ・メオ
シャシーがどうの、剛性がどうの、パフォーマンスがどうの、といったお決まりの解説なんてありません。フィアットアウトのビッグボス、マルキオンネが子供達とクルマの今と未来について語り合うビデオが流され、会場のジャーナリストから携帯電話のSMSで送られたメッセージが次から次へとメインスクリーンに映し出されます。
スタジアム内でスタンバイする試乗車
値段は、10500〜14500ユーロ。1.2Lと1.4Lのガソリンエンジン+1.3Lマルチジェットディーゼルエンジンが用意され、ガソリンエンジンにはMTの他デュアロジックも。ちなみに、日本ではまず、今秋の東京モーターショーでお披露目され、年明け早々には走り出す予定です。最初に導入されるのは、1.2のデュアロジック。そのあと、1.4やMT仕様だとか。
2と1.4のMTに乗ってみました。素直な感想を言うと、ベースのパンダ同様に、よくできたコンパクトカー、でしたね。BMWミニほど乗って個性があるわけじゃないけれど、その分フツーに扱えたというか。パンダの良いところがスポイルされていなかったので、まずはひと安心。
パンダより、いくらか静かな感じ。乗り心地も、15インチ、16インチ両仕様ともにはっきりとソフトで、最初はビミョーな心地だったのがだんだんと馴染んでいきます。石畳もへっちゃら。
とにかく乗ってフツーだから万人向け
町中を気軽に流すなら、1.4です。グラプンのエンジンですね。100HP。低速トルクがちゃんとあるから、割とずぼらに運転できる。1.2も性能的には十分なんですが、ギアを常に適切に選んで走らなきゃいけない。MT好きにはたまらんでしょうけれど。
それにしても驚くのは、トリノ人のクルマ好きっぷり。どこへ停めても、あっという間に黒山の人だかり。しかも、じっと見るだけじゃすまないんです。こっちが撮影中だろうが何だろうがおかまいなしに、ドアを開けて、中に座って、あれこれ弄り回して、おまけにボンネットもトランクも開けて、総チェック。んもう、ディーラーじゃないんだから!
どこへ行ってもこのとおりの人気者!
みんな、チンクが大好き、クルマが大好き、なんですね。何だかうらやましかったなあ。
ヨーロッパ中から集まった昔の500たち