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悲願のディーゼル再導入、M・ベンツML350ブルーテック

投稿日:2010年9月9日 更新日:

欧州最新ディーゼルターボ車の実力のほどは、M・ベンツの”努力”もあって、徐々にではあるけれど日本でも認められつつある。長距離移動での驚異的な燃費のみならず、街乗りでも案外良かったり(同クラスのハイブリッド車に比べても)するし、何より低回転域からの”もりもり”トルクが運転を楽しく感じさせてくれることを、体験者は知っていて、そういう風聞がじわりと広がりつつあるからだ。


他の欧州メーカーは、今のところハイブリッドモデルを積極導入する姿勢をみせているが、両方に力を入れているのは事実上、M・ベンツだけである。

そんなM・ベンツの、Eクラスに続くディーゼル第二弾が、SUVのMクラスだ。実は以前、初代Mクラスでディーゼルモデルがあった。また、クロカンSUVには昔からディーゼル愛好家が多い。重量が重いため、トルク重視のエンジン性能が欲しいからだ。
M・ベンツにとっては、悲願とも言えるMクラスディーゼルの再導入。とりあえず左ハンドルのみでの発売となったが、待ちに待ったという人もそれなりにおられるだろう。
個人的には、ハードな四駆乗りにはともかくも、SUV=ディーゼルというイメージが強く出てしまうことは、ディーゼルをより一般化しようとするうえで、マイナスな場面も出て来るんじゃないか、と思っている。いかにも昔ながらの、”がらがら、ぷんぷん、もくもく”なディーゼルエンジンのイメージとSUVのでかくてごついカタチがだぶって見えてしまうような気がするからだ。
ディーゼルエンジンへの免疫がまだまだ未完成の日本では、スポーツカー=ディーゼルくらいの組み合わせで突き抜ける方がいいと思う。ニッチ×ニッチじゃあ、広がるもなにもないじゃないか、という意見も分かるのだけど・・・。
M・ベンツML350ブルーテック
それはさておき、早速、ML350ブルーテックに乗ってみた。世界で最も厳しい日本のポスト新長期ディーゼル排出ガス規制(それにしてもこういう官僚的な名称はどうにかならんものか)を国産車を含むAT搭載のSUVとして、もちろん輸入車SUVとしても初めてクリアしている。
ブルーテックとは、ディーゼルエンジン用排出ガス処理システムのことで、排ガスに含まれる有害な窒素酸化物を尿素水溶液による還元作用によって大幅に減らしてしまおうというものだ。化学ですね。ハイブリッドやEVもそうだけど、自動車もこれからはプラス化学の時代です。
M・ベンツML350ブルーテック
Eクラスと同様、エンジンをかけた瞬間の音と、ステアリングホイールから伝わってくる細かな振動で、このクルマのエンジンがディーゼルであることがすぐ分かってしまう。日頃、静かなエンジン車両に慣れた人には、とても気になるレベル。もっとも、買った当の本人はディーゼルを承知の上で買っているのだから、そう目くじらをたてるほどのものじゃないと思うが。
平均速度の低い市街地トラフィックでは、ちょっと鈍重な印象だ。なぜなら、時速40km/h以下ならばアクセルペダルをあまり踏む必要はなく、700回転あたりのアイドリングから始まって、せいぜい1500回転くらいまでしかエンジンを回さなくてすむからだ。ただし、その間のパワー感は単なる3リッターディーゼルもしくはそれ以下であるから、2トンを大きく超える巨体を動かすには、いかにもかったるく感じてしまうだけである。
ところが、どうだ。タコメーターの針が1800回転を超えたくらいから、その巨体が大きく前のめりしていると思うほどの加速がやってくる。トルクの波に乗る、という表現が本当に似つかわしい。そして、波に乗ってからの加速フィールは、このクラスのSUVとしては、ほとんど異次元な感覚である。
低速度域から蹴飛ばされるように前へ前へと進んでいくという意味では、V8やAMG63とも全く違う感覚であり、違う速さだ。それゆえ街中では、なにげにアクセルを開けてしまうことが躊躇われてしまう。正直、人口稠密な都市部ではなく、ヨーロッパ地方都市のように街中と郊外の境がハッキリとして道路環境のメリハリが利いた場所で乗ってみたいと思った。
もうひとつ。都内の狭い道でこれくらいの巨体を操る際には、左ハンドルの方が便利だと実感したことを、最後に付け加えておきたい。
M・ベンツML350ブルーテック
M・ベンツML350ブルーテック
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