CarKingdom.jp(自動車王国)

自動車をメインに、気になる身の回りのネタを編集人独自の視点で斬る自動車王国。

Report 試乗会でこんにちは!

新型トヨタIQは本気のシティコミューター

投稿日:

チョロQを実車化したかのような走りは、新しい

まるで自動車主要メカニズムの”知恵の輪”のようなクルマだ。全長3mといういわゆるスマートサイズに、大人3+子供1の計4人乗りスペースを稼いだFF車を作るという発想は、複雑な寄せ木細工のようなものだったに違いない。クルマが小さくなることは軽くなることだから、絶対的に善である。軽量化がクルマの最重要課題であることは論を待たない。だからこの際、思い切り小さいクルマを、固定観念を捨てて作ってしまえ、というのがiQだった。ちなみに2008−2009、日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車でもある。


工夫=エンジニアの努力の結晶、は至るところにある。フロントギアボックス搭載位置の変更、ステアリングギアボックスの仕組み変更、燃料タンクの薄型化、エアコンユニットの小型化、薄型シート、非対称ダッシュボード、などなど。文字通り、ミリ単位のせめぎ合いで不可能を可能にしたパッケージが生まれている。今後、トヨタはこれをベースに小さくて効率のいいパッケージをいろいろ生み出すはず。そちらの方が興味深い。メカニズムのスペックで語ると、何てことないFFコンパクトカーである。フロントに1l直3エンジンを積み、CVT(無段変速)を組み合わせた。グレードは100X、100Gの2種類。
エントリーグレードにあたる100Xにも、エアコンや9つのエアバッグ、VSC(横滑り防止)といった重要な装備はほとんど標準で装備されるが、100Gにはスマートキーやオートエアコン、レザーハンドル&シフトノブ、室内メッキ華飾、などが追加される。さらにパッケージオプションとして、豪華な100Gレザーパッケージも用意。ただし全車、ナビゲーションは別売。最も安くて機能もシンプルなDVDナビでも15万円以上してしまう。
見たこともない前後横比のバランスに、誰もが最初は目を疑うはずだ。真正面からみると、ちょっとしたミニバンくらいにも見える。幅がけっこうあるのだ。回り込むと、いきなり小さい。本当に小さい。全長3mといえば、大型サルーンのホイールベースといってもいい。これまでの常識では、4人乗りを実現するためには全長3.4mは必要だった。マイナス40cmの概念破壊。確かに、それだけの存在感をもっている。乗って気づくのは、ほぼクルマの真ん中に座っているということ。これって動く物に乗る場合、とても重要。乗り物って、シンプルになればなるほど人は真ん中だ。その方が、いろんな意味で操作しやすいし、物理的なバランスもいい。
さすがに短いクルマだけあって、ふんわりしなやかに街を流す、というわけにはいかない。けっこうコツンコツンと跳ねる。跳ねるけれども、クルマそのものが乗り手の腰を中心に動いている感覚があるので、それほど不快ではない。むしろ、愉しい。これまでとは違う価値観の物差しで、ライドフィールもとらえた方が楽しめそう。街中を行くぶんにはそれほど気にならないが、ビュンと加速したいときや追い越し時などには不満がある。せめてマニュアルギアボックスがあれば、と思うのは人間が古い証拠だろうか。高速巡航も、やはり得意とは言えない。シティカーとして割り切るクルマである。駐車スペースに苦労しないことを、まずは喜んでいい。とにかく、都会では想像以上の機動力を発揮する。これに馴染むと、他のクルマがうすらデカく思えて大変だ。

googleアドセンス

googleアドセンス

-Report, 試乗会でこんにちは!

執筆者:


comment

関連記事

Jalopnikがポルシェミュージアムの倉庫へ

自動車王国が大好きなJalopnikがポルシェミュージアムの倉庫に招かれたようです(本当は新型カイエンとパナメーラのアダプティブクルーズコントロールの試乗会のようですけどね)。たまに自動車評論家先生の …

no image

フランクフルト私的ベスト10

独断と偏見で選んでみました! Part2 前回に引き続き、フランクフルトモーターショーでボクが選んだベスト10の続きです。こうして見ると、やっぱりモーターショーはいいものですね。今月は東京モーターショ …

no image

初の量産市販電気自動車、三菱アイ・ミーブ

未来を先取りすることに価値を認める人に 電気自動車そのものの歴史はガソリン内燃機関よりも実は古いが、石油の20世紀を経てようやく量産市販電気自動車が登場した。三菱のi-MiEV(アイ・ミーブ)はその名 …

“ちょっと贅沢”なハイブリッドサルーン、トヨタサイ

小さな高級車の庶民版 一連のリコール問題で生産停止にまで追い込まれたサイ(SAI)だが、プリウスよりも”ちょっと贅沢”なハイブリッドサルーンというコンセプトそのものの魅力は未だ …

テスラモデルYで300マイルの無免許運転に出かけた未成年者ら

アメリカ・フロリダ州で起った事件です。パームコーストのWawaガソリンスタンドから国道100号線を逆走するテスラ・モデルYを発見した フラグラー郡保安官は、即座に停止を求めました。素直に停止に応じた車 …

Facebook

アーカイブ

カテゴリー