CarKingdom.jp(自動車王国)

自動車をメインに、気になる身の回りのネタを編集人独自の視点で斬る自動車王国。

Report 試乗会でこんにちは!

2代目日産ムラーノに乗ってきた

投稿日:

初代の出来映えが良かっただけに、残念

4年でモデルチェンジは通常のサイクルだが、SUVスペシャリティカーとしては、「え? もう? 」という気がしないでもない。実際、初代ムラーノのデザインは決して陳腐化していないし、今でも独特の存在感を放ったままだ。アメリカ市場メインのクルマ(初代は9割が北米で売れた)で、日本導入が2年遅れだったことも影響しているのだろう。それほどの台数が街に溢れていないのも、古くならない要因のひとつかもしれない。


さて、2代目となったムラーノは初代とまるで違う雰囲気に見えるが、実は前後のディテールデザインが大幅に変わっただけである。コンセプトはもちろん、実車のパッケージングなども基本的にはキープコンセプトと言っていい。ムラーノらしいサイドウィンドウフォルムはそのままに、従来よりもグラマラスなボディデザインを与えているが、サイズ的にはほとんど変わらず。室内も後席のニールームスペースがやや改善された他はほぼ同じ。
日産の最新LサイズFF用Dプラットフォーム(ティアナと同じ)こそ使っているが、3.5lV6と日本専用の2.5l直4の二本立てエンジンにCVTを組み合わせることも初代から継承した。2.5lはレギュラーガソリン対応。いずれにもオールモード4×4−iと呼ばれる日産最新の4WDシステムを搭載する。FFモデルの用意は、今のところない(北米用にはアリ)。
えぐい顔つきだけが印象に残るが、フェンダーの膨らみやスタイリッシュガラスルーフなど、他にも見どころの多いスタイリングである。後から見た雰囲気は、弟分のデュアリスとの”血の繋がり”を感じるものだ。非対称形のダッシュボード、ファインビジョン方式の3眼メーター、本アルミとメッキをあしらったセンタクラスター、クルーザーのようなデッキセンターコンソールなど、インテリアイメージはスペシャリティ感いっぱい。
樹脂製の軽量バックドアはオプションで電動開閉も可能。メインスイッチオフ時には手動で開閉できるから、ラゲッジルームを多用するユーザーには便利な装備だろう。また、後席は6:4分割可倒式で、レバー1つで倒すことができる。背もたれを電動で起こすことができるのも便利。荷室容量も通常時で約400lを確保と、このクラスでは十分だ。
スペシャリティカーとしてスタイリングやインテリアを中心に磨きをかけ、実用車としての側面もより充実したものに。それが進化したムラーノだと言っていい。初代はそもそも北米市場だけを見据えて企画されたクルマで、その大きさゆえ日本市場への導入には懐疑的な意見も多かった。が、実際に乗ってみると、さほど大きさを感じさせることもなく、意外に日本の街でも乗りこなせたものだった。それだけ、まとまりのあるクルマだったということだ。
新しいプラットフォームをベースにしたからと言って、必ずしもクルマが良くなるわけではない。その乗り味は、同じ日産のデュアリスやFR系モデルと比べると、今ひとつまとまりにかけ、質感でも劣るものだった。まるで、ティアナの負の要素が、背を高くしたことで強調されたかのようである。
特に、V6モデルが気になった。シャシーと上屋の一体感に欠けている上、アクセルレスポンスを含め動きもちょっと粗雑だ。低速域でのドタバタとした乗り心地も何とかしたい。同じクラスで最近乗ったリンカーンMKXの方がまだしっとりとした走りで、気持ちのいいパフォーマンスをみせてくれたように思う。
直4モデルの方が全体的にはまだ印象が良かった。動力性能のモノ足りなさこそ隠し切れないし、やや発散気味のテイストではあったけれど、静かさや乗り心地はV6よりもいい。
ひょっとすると新型ムラーノは、FFモデルの出現を待った方がいいのかも知れない。

googleアドセンス

googleアドセンス

-Report, 試乗会でこんにちは!

執筆者:


comment

関連記事

30年前の日本車にあったモノが進化?!

今から30年ちょっと前、日産スカイライン(7代目:R31型)が世界で初めて搭載したのがオートスポイラーです。時速70km/hを超えると自動的にフロントスポイラーがせり出し、時速50km/h以下になると …

スターリング・モス用にコード“992”エンジンを搭載した、M・ベンツ230SL?

「992」と聞いて思い浮かべるのは、M・ベンツではなくポルシェでしょう。1966年春、往年のスター・レーシングドライバー、スターリング・モスはM・ベンツ230SLが欲しくなり、M・ベンツとゴニョゴニョ …

走行距離たった1445マイルの2004年式ポルシェ・カレラGT

自動車メーカーが出すニュースで、ここまで感心したのは久しぶりだったのでシェアしてみようと思います。気になったのは・・・、ポルシェ・ノースアメリカがリリースした、カレラGTの話題です。 この動画を見て、 …

no image

M・ベンツEクラス、間もなくフルモデルチェンジ

スペインで開かれた試乗会からファーストインプレッション いつの時代もセダンの新スタンダードに。Eクラスの目指すところは本質的には全く変わっていない。コンセプトの第一に安全性の向上を掲げつつ、次に快適か …

また登場した、EV用バッテリー交換施設・・・

上海モーターショー、大賑わいで羨ましいかぎりです。紅旗のS9、物凄く気になっています。0→100㎞/h加速1.9秒、最高速度400㎞/hって・・・、ブガッティもびっくりじゃないですか! 個人的には紅旗 …

Facebook

アーカイブ

カテゴリー